創 業

1952

創業
1952年、創業者である小西輝彦が小西化学工業所として事業を始めた。
終戦後、輝彦氏が独学で化学を学び、小西夫妻が自宅の裏庭を使って人工甘味料などの化学薬品の製造を行った。
1962年に株式会社へ移行し、和歌山の小雑賀に小西化学工業株式会社を設立した。

1962年当時の小西化学 小雑賀

1962年当時の小西化学 小雑賀

1962年当時の小西化学 小雑賀

1962

小西化学のスルホン化事業
小西化学のスルホン化事業は、めっき薬メーカーへスルホン化されためっき薬剤を提供したことから始まり、1960年台後半からは染色助剤の原料としてDHDPS(ジヒドロキシジフェニルスルホン)の生産を開始した。
1972年には世界に先駆けてDHDPSの高純度品を上市し、当時の大手フィルムメーカーであるイーストマン・コダック社へ、黄色の色素形成材(イエローカプラー)用途で提供した。当時のカラーフィルムの発色にはこの高純度化技術が必要であった。
またスルホン化技術を生かし、多くのスルホン酸誘導体の製造やその高純度化などの開発を進め、小西化学のスルホン化中間体事業は収益の柱となっていった。

当時のメンバー 1968年 当時のメンバー 1968年

DHDPSプラント建設 1977年 DHDPSプラント建設 1977年

発 展

1980

英国ICI社へDHDPS製造技術ライセンス
1980年代、イエローカプラーに小西化学のDHDPSが使用されていることが英国の技術誌に掲載され、 当時世界最大級の化学メーカーであった英国ICI社からスーパーエンジニアプラスチックPESの原料に 使用することを目的に、当社へ連絡があった。
当時ICIはPESの世界展開を考えていたが、和歌山にある町工場の一つである小西化学から 基幹原料を調達することには懸念があり、自社製造も検討していた。しかしながら、 自社での開発は小西化学が持っていた特許を超える製法開発には至らなかった。
その結果、ICIは小西化学からDHDPS製造技術ライセンスを買い受ける決断をし、 英国ICI社内に小西化学の製法のDHDPSプラントが稼働した。
和歌山の中小企業の技術が世界最大手に認められた。

ICI社 DHDPSプラント稼働 1986 ICI社 DHDPSプラント稼働 1986

ICI社 和歌山来社時 1982 ICI社 和歌山来社時 1982

英国ICI社に小西のプロセスのDHDPSプラントが稼働。当時のパソコンを使ったテープカットセレモニーの写真。 小西輝彦夫妻がボタンを押すとハサミが出てきて、テープを切ると日本の国旗が出てくる仕組みであった。

環 境 変 化

1995

中間体屋としての危機
1990年代後半から中国の化学企業が台頭し始め、より安価な化成品が出回るようになった。
当社のDHDPSを始めとする製品群も中国品におされ、売上は減少を続けた。
小西化学はそのような環境の変化をきっかけに、今までの中間体を中心とした事業から、 機能性材料の研究開発事業へと転換していくことを決意した。
そこから機能材料の自社開発や受託事業を通じた技術転換に取り組み、 研究開発と生産体制の強化を推し進めていった。

1999~2003年 売上推移 1999~2003年 売上推移

転 換

2003

有機合成事業から機能性材料事業へ
小西化学の技術転換の取り組みとして、2003年に熱硬化性樹脂である多官能エポキシ樹脂の受託製造事業を開始した。 後にその製品はボーイング社から炭素繊維複合材料(CFRP)の含浸樹脂として採用を受けた。 航空機材料としてレベルの高い品質管理要求を受けながらもそれを達成し、 ボーイング787機向けCFRP材料として量産を開始した。

2008年には新規事業の受け皿となる初代開発型マルチパイロットプラントを建設した。 このプラントは機能性材料の生産の為に幅広い製造条件に対応できるよう設計され、 小西化学の数々の新事業の出発地点となっている。

2013年にはボーイング787の量産体制に対応すべく、エポキシ樹脂製造の第2拠点として 福井県のテクノポート福井において新工場を設立し、生産体制を強化した。

開発型マルチパイロットプラント 開発型マルチパイロットプラント

福井工場 完成時 2013 福井工場 完成時 2013

ボーイング787機 ボーイング787機

挑 戦

2015

持続可能なモノづくりへの挑戦
2015年、中国の環境・安全規制が厳格化され、中国品のサプライチェーンが機能しづらくなり、 小西化学のDHDPSを始めとする既存製品群のニーズが高まった。
小西化学は「持続可能なモノづくり」を掲げ、環境の変化に対して揺るぎない事業体制を目指している。
その取組みの一つとして、2017年に福井工場で稼働したDHDPSの新プラントはタブレット端末による運転制御、 小型カメラによる遠隔状況把握などIot技術がつぎ込まれたスマートファクトリーとして設計され、 無人運転による安定・持続的供給を目標としている。
次世代を目指す化学メーカーへ
2018年には開発品事業の需要増を受けて、第2の開発型マルチパイロットプラントを新設した。 このプラントは技術転換の取り組みから生まれたポリシルセスキオキサン(PSQ)や機能性スルホン化ポリマー(S-PES)など、 新事業のための新たな生産拠点となる。

また、福井工場に2020年9月、感熱材料プラントを新設、2020年11月、本社工場の新開発プラントを増強

福井 DHDSP新プラント 福井 DHDSP新プラント

福井 スマートファクトリー 福井 スマートファクトリー

和歌山 第2の開発型 マルチパイロットプラント 和歌山 第2の開発型
マルチパイロットプラント

福井 感熱材料プラント 福井 感熱材料プラント

小西化学はこれからも将来にわたって
必要とされる会社である為に、未来へ向けた挑戦を続ける。

小西化学はこれからも将来にわたって必要とされる会社である為に、未来へ向けた挑戦を続ける。