エポキシ樹脂
エポキシ樹脂の開発と製造
2004年にボーイング787向けの炭素繊維複合材料(CFRP)に用いられるエポキシ樹脂の受託製造を開始致しました。
本生産を機に長年にわたり蓄積した合成造技術を活かし、電子材料並びに接着剤等、多岐に亘ったエポキシ樹脂の開発を始めました。
商品に関して
弊社保有のジフェニルスルホン骨格を有する化合物を用いて、高耐熱性エポキシ樹脂の開発を進めております。
先ず、第一弾として3,3'-ジアミノジフェニルスルホンのエポキシ樹脂(TG3DAS)のスケールアップ試作を成功し、
サンプルワークを開始しました。
TG3DAS
CAS RN®
Registry No.78542-64-0
ENCS
新規化学物質
Tetraglycidyl - 3,3' - diamino diphenyl sulfone
基本物性
試験値 | |
---|---|
外観 | 黄色透明フレーク |
揮発分 | 0.2%以下 |
エポキシ当量 | 136±6 g/eq. |
加水分解性CI | 1000ppm以下 |
硬化物性
TG3DAS | TGDDM | 備考 | |
---|---|---|---|
硬化物外観 |
![]() |
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|
ガラス転移温度(℃) | 250 | 260 | TMA 2nd RUN |
平均線膨張率(ppm/℃) < Tg > Tg |
40 50 170 |
45 60 170 |
(40~80℃) (100~180℃) (275~285℃) |
曲げ強度(MPa) | 100 | 160 | |
曲げ弾性率(GPa) | 4.3 | 3.2 | |
硬度(Shore D) | 92 | 90 | |
硬化条件 | 配合比TG3DAS:DDS=100:40(重量部) 120℃×1hr+150℃×2hr+180℃×3hr | 配合比TGDDM:DDS=100:45(重量部) 120℃×1hr+150℃×2hr+180℃×3hr |
ベンゾオキサジン樹脂
What’s Benzoxazine?
オキサジン化合物の熱開環重合により形成するオキサジン樹脂は、
難燃性、寸法安定性、低吸水性、低誘電率、耐熱性に優れ、
成形加工時に副生ガスを発生しない新しい熱硬化性樹脂として注目されています。
弊社では、DHDPM (ジヒドロキシジフェニルメタン)型のベンゾオキサジンのスケールアップに成功し、
サンプルワークを実施しております。
また、より高耐熱で低温硬化が可能なDHDPS (ジヒドロキシジフェニルスルホン)型の
ベンゾオキサジンに関しても開発中です。更に、この他にも各種フェノール類およびアミン類の組み合わせにより
多様な構造設計が可能であり、お客様のご要望に応じたベンゾオキサジン化合物を提案致します。
熱によりオキサジン環が開環し、フェノール性水酸基が生じると共に重合致します。
特徴
- 寸法安定性
- 耐熱性
- 難燃性
- 電気絶縁性
優れた硬化物が得られます!
- 【用途例】
- 接着剤 プリント基板 マトリックス樹脂 等
ベンゾオキサジンの構造式
※代表骨格であり製品は混合物となります。
BF-BXZ Stage:Pilot
X= CH2
代表品質 付着溶剤 ≦ 2%
アニリン≦ 2%
BS-BXZ Stage:Laboratory
X= SO2
代表品質 付着溶剤 ≦ 2%
アニリン≦ 2%
ベンゾオキサジンの溶解性
溶媒種 | BS-BXZ | BF-BXZ | |
---|---|---|---|
ハロゲン化炭化水素系 | クロロホルム | ○ | ○ |
エーテル系 | プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート | ○ | ○ |
エステル系 | 酢酸エチル | ○ | ○ |
非プロトン性極性溶媒系 | N,N-ジメチルホルムアミド | ○ | ○ |
ケトン系 | メチルイソブチルケトン | ○ | ○ |
芳香族炭化水素系 | トルエン | × | ○ |
脂肪族炭化水素系 | ヘキサン | × | × |
アルコール系 | ブタノール | × | × |
水 | 水 | × | × |
方法:BXZ0.5gに対し溶媒2mlを加え室温における溶解性を確認。溶解するものを○不溶のものを×と表記した |
硬化時の発熱挙動(BF-BXZ)
硬化時の発熱挙動(BS-BXZ)
熱重量分析(TGA)
BS-BXZ | BF-BXZ | |
---|---|---|
5%重量減少温度(Td5) | 367℃ | 337℃ |
残炭率(550℃) | 76% | 54% |
測定条件
使用機器 | TG/DTA6200 |
測定温度 | 30~300℃ |
昇温速度 | 10℃/min |
flow | 窒素 150ml/min |
本条件にて1stRUN実施後、自然冷却し、測定温度を30~600℃に変更し2ndRUNを実施、重量減少-5%の温度及び550℃の残分を読み取る。 |