水溶性フェノール樹脂
水溶性フェノール樹脂とは?
弊社の水溶性フェノール樹脂は、 DHDPS (ジヒドロキシジフェニルスルホン) とフェノールスルホン酸等のスルホン酸化合物とを共重合させることで得られるアニオン性樹脂です。
DHDPSのスルホニル結合の強い電子吸引性と化学的安定性、さらには、ヒドロキシル基の高い酸性度、その水素結合力を利用して、基材との接着性に優れたアニオン化表面処理剤等、様々な分野に使用されております。
DHDPSとフェノールスルホン酸を8:2の割合で共重合させた末端レゾール型の水溶性フェノール樹脂(Water Soluble Phenol Resins , WSR-SP82)を量産化しております。
用途例
①ナイロンフィックス剤
ナイロン繊維の末端アミノ基と水溶性フェノール樹脂のスルホン酸基とのイオン結合力、 酸性染料のアゾ基と水溶性フェノール樹脂の水酸基との水素結合力を利用して、 酸性染料の固着処理剤として使用されています。
ナイロンフィックス剤の染料固着模式図
②カチオン物質のバインダー
DHDPSとスルホン酸化合物のモル比や分子量等を適正化することで、
ポリエステルやセルロースといった結合手の無い基材にも高い密着性を示すことを見出しました。
DHDPSの水酸基と基材のカルボニル基や水酸基との水素結合力に加えて、
レゾール型水溶性フェノール樹脂末端のメチロール基を利用した架橋(熱硬化)により、
高い堅牢性を示します。
カチオン物質のバインダー機能模式図
使用例(ナイロンフィックス剤)
処理方法
ナイロン繊維を酸性染料で染色した後、フェノール樹脂で酸性染料を固着処理。
プロセス
試験機器
- 赤外線加熱式回転ポット染色試験機:TEXAM Co.,LTD.製(UR;MINI-COLOR.V5)
- オートミニセッター:DAIEI KAGAKUSEIKI MFG.Co.,LTD製)
試験結果
フィックス処理による変色 | 洗濯試験(JIS-L-0844 A-2) | |||
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変退色 | ナイロン | レーヨン | ||
ブランク | ||||
当社品 DHDPS/DHDPSスルホン酸系ノボラック樹脂 |
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当社品 DHDPS/フェノールスルホン酸系レゾール樹脂 |
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他社品 |
使用例(レギュラーポリエステルのカチオン可染化処理)
処理方法
前処理としてレギュラーポリエステル繊維にフェノール樹脂を固着した後、カチオン染料で染色。
プロセス
試験機器
- 赤外線加熱式回転ポット染色試験機:TEXAM Co.,LTD.製(UR;MINI-COLOR.V5)
- オートミニセッター:DAIEI KAGAKUSEIKI MFG.Co.,LTD製)
試験結果
ブランク | 染色布 | 洗濯試験結果 JIS-L-0844 A-2 |
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Estrol Yellow N-2RL 200% 1.0%o.w.f |
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Estrol Red N-GSL 2.0%o.w.f |
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Estrol Br.Blue N-RC(C) 2.0%o.w.f |
Commercial Products
水溶性フェノール樹脂(WSRシリーズ) | ||
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※ フェノールスルホン酸ユニットが少ない場合、酸性サイドでは水溶性が得られない場合が御座います。 |
ENCS | Registry No. 9-2533 |
CAS | Registry No. 71832-81-0 | |
EINECS | Registry No. 290-719-8(CAS:Registry No.90218-44-3) | |
TSCA | registered | |
Properties | ||
Appearance | Light Brown | |
pH | 9~10 | |
Viscosity(25 ℃) | 100cps max. | |
Solid content | 30% | |
※This product contains no acetic acid. |
Laboratory Products
Phenolsulfonic acid resin |
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